








**「漆黒の太陽に願う」**
濡れた街 錆びた夢 ふたりで編んだ記憶は
崩れかけた言葉の奥で まだ灯っていた
触れないで 嘘のない まなざしだけが怖かった
僕を照らす光さえも 今は責めてくる
羽根の折れたカラスが 笑っていた
真昼の空で叫ぶ 「終わりは近い」と
漆黒の太陽よ 全部飲み込んで
偽りの笑顔も 綻びも この声も
灰色の空に 滲んだ願いが
風にちぎれて 落ちる前に
どうか どうか 終わらせてくれ
無口な神 眠る月 置き去りの詩(うた)たちよ
焼き尽くされた愛の跡に ひとり残されて
思い出は 濡れた刃 胸を優しく裂いてく
優しさの影だけ残して あなたは消えた
願いはもう届かない 知ってた
でもこの胸の声が まだ鳴り止まない
漆黒の太陽よ 嘘を洗い流せ
偽善の誓いも 記憶の断片も
崩れゆく空に 映る涙を
この手でそっと 拭えたなら
きっと きっと まだ間に合うはず
あの日 笑ってた
君の顔を 思い出せない
名前さえ もう 思い出せないんだ
漆黒の太陽よ 燃え尽きる前に
この胸の鼓動と 朽ちた愛を抱いて
静寂の空が 裂けるそのとき
また会えるなら 微笑んでくれ
どうか どうか 最期だけは綺麗に
漆黒の…太陽に…願う…
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