








**「焔 -homura-」**
あの日 焼け落ちた記憶に
名もない叫びだけが 今も焦げついている
崩れ落ちた世界で 誰を信じればいい
赤く染まる空に 背を向けた少年
壊れた夢の破片 握りしめて笑う
「痛みも愛も 嘘なら要らない」と
鳴り止まぬ鼓動が 夜の闇を裂いた
追いつけぬ運命に 指を伸ばしていた
凍える声で 何度も呼んだ
「終わりのない罪なら 俺が抱く」
胸に残る あの瞳
焼きついた 面影に
まだ消せない 熱の奥
焔(ほむら)が揺れる——
焔よ 燃え尽きろ この身を焼きながら
叫びは空を裂き 夜を貫け
永遠を乞うなかれ 愛に縋るなかれ
痛みこそが 俺の証
闇に咲いた 最後の華
「生きるって…何だ? …許されるのか、俺が。」
焔よ 尽きるまで この名を焼きつけろ
あの日交わした声を もう一度だけ
救いも罰もいらぬ ただ願いだけを
届かぬまま 俺は歌う
散りゆく 孤独の華
たとえ世界が背を向けても
この焔(ひ)は消させない
何度でも立ち上がる——
紅蓮(ぐれん)の声で……
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