








**「君がくれた四月」**
雨上がりの午後 光るアスファルト
君のヴァイオリンが 春を染める
「痛みも全部、音にして」なんて
笑う横顔 まぶしくて
桜のトンネルを抜けた先で
君だけが 遠く霞んでいく
追いかけても 届かないまま
ピアノの鍵盤(けんばん)に 指が震える
四月の風が 君を連れ去る
残された音が 胸を締めつける
「もっと遠くへ」と 駆け抜けた君の
あの旋律(メロディー)が 今もここにいる
黄昏に染まる 小さなステージ
音符の雨が 頬を濡らす
「君の音なら 世界は変わるよ」
かすれた声が 夢に溶けた
夕凪の街 ひとりきり歩く
君の影を そっとなぞりながら
触れた記憶が 指先で揺れる
それでも今は 弾き続ける
四月の風が 君を連れ去る
咲き誇る花が 僕を包んでく
「ここにいるよ」と 小さく響いた
あの旋律(メロディー)が 今も生きている
春の光に 溶けた涙も
新しい音に 変わるだろうか
君がくれた 言葉のすべて
今もまだ 僕を動かしてる
四月の風が 頬をなでるたび
君の笑顔が 心に蘇る
「生きていてね」と 遠くで響いた
あの旋律(メロディー)が 今もここにいる
君がくれた四月が 僕を奏でる
もう一度 この手で弾くよ
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