







**「君と歌うはずだった」**
安いアパートの薄い壁越し
君の寝息が 子守唄みたいで
カップ麺ふたりですすった夜に
「いつかレストランで食べようね」
ボロボロのギターと君の笑顔
それだけで明日を繋いでた
「売れたらさ、恩返しするよ」
君はいつも「バカね」って笑った
夜を越えて 朝を待って
何度もくじけそうになったけど
君の声が そばにあった
「大丈夫」って 信じさせてくれた
初めて流れた俺の歌を
君は誰より喜んでくれた
「おめでとう」って 泣きながら
抱きしめた腕 離れなかった
やっと掴んだこのチャンスを
君に見せたかったのに
なぜだろう 電話が鳴るたび
胸がざわつく 嫌な予感
赤いランプ 滲む信号
名前を呼んだのに 返らない
今すぐ全部投げ出して
君の元へ 行きたかった
冷たいシーツ 残る香り
「大丈夫」って言ってくれよ
売れることより 成功より
君の隣が 欲しかったんだ
夜を越えて 朝を待って
もう一度だけ 会いたかった
君のために歌った歌を
今は空へと 響かせるよ
安いアパートの 鍵を握り
君の夢を 抱きしめながら
俺は歌うよ 君と歌うはずだった歌を
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