**「遠い背中」**

赤い月が夜空に滲む  
路地裏の風が髪を揺らす  
「あなたがいない」それだけなのに  
この世界が灰色に見える  

自動販売機の冷たい光  
一緒に選んだ缶コーヒー  
捨てたはずの思い出の欠片  
拾い集めて胸に刺さる  

守りたくて傷つけた手  
正義なんて言葉で隠したけど  
愛はただの戦場みたい  
勝ち負けなんていらないのに  

「あなたを守れるなら」  
そう信じたこの刃が震える  
抱きしめるたび遠ざかる  
それでも諦めきれない  
最後の一撃が待っている  

あなたの声が胸を叩く  
嘘も真実も飲み込んだ夜  
その瞳の奥に隠してた  
秘密に触れたら壊れそう  

赤い提灯の揺れる街角  
あなたを見つけたあの居酒屋  
小さな椅子に並んで座り  
交わした沈黙が刺さってくる  

正しさに縛られた私の目  
あなたを信じた罪が痛い  
戦い続けた愛の終わりに  
残るのはこの愛だけ  

「あなたを守れるなら」  
そう信じたこの刃が震える  
抱きしめるたび遠ざかる  
それでも諦めきれない  
最後の一撃が待っている  

白い息が夜に消えていく  
灯りの消えた交差点の影  
この戦場みたいな愛の果てに  
正義なんてもう意味がない  

「あなたを守れるなら」  
この手が汚れても構わない  
壊すことでしか救えない  
あなたの未来は渡さない  
最後の一撃が響いている  

静けさが戻る夜の街角  
あなたの背中が遠ざかる  
愛と憎しみが混ざり合う夜  
最後に勝つのは私だけ