**「君が残した言葉」**

「どこにも行かないで」と君はつぶやく  
冷たい指先、僕の手を握る  
「山が好きだったよね」と笑った顔が  
雪の中で淡く消えていく  

「春になれば、またここで」  
君の声が耳に残る  
儚い約束、それでも信じた  
白い山が二人をつないだ  

「いつか越えられるかな？」  
君が指差した遠い峰  
その答えを探してる僕が  
今も歩き続けるこの道を  

「私のこと忘れてもいいよ」  
震える声に隠せない涙  
「君が幸せならそれでいい」  
嘘とわかっても胸を刺す言葉  

「また来年も見に行こうね」  
君が好きだった雪椿  
記憶の中で咲き続けるけど  
僕の心には冬が続く  

「もし迷ったらここに来て」  
君が指差した山小屋の灯り  
その温もりを頼りに進むよ  
君の声が今も道を照らす  

「ありがとう」最後の言葉  
背中越しに聞こえたさよなら  
振り向けば、ただ白い雪だけが  
僕を静かに見守っていた  

「山の向こうでまた会おう」  
君が笑って手を振った  
その約束だけが僕の明日を  
生かし続ける光になる