








**「山頂で交わした言葉」**
霧が谷を覆って 朝の光が染み込む
白い息が溶けて 風がそっと頬をなでる
濡れた岩を越えるたび 水音が耳をくすぐる
苔の香りと土の匂いに 君の笑顔が混ざる
霧の隙間から差し込む光 凍える指先を温め
手を取り合うたびに 心の結び目が強くなる
「もう少しで空が開ける」
風に消えそうな声が 木々の間に柔らかく響いた
君と歩いたこの道は ただの道じゃなくて
朝露に光る葉も 渓流も全部景色になった
雲が流れ 陽が山肌を染めても
僕らは止まらなかった
あの頂で交わした言葉が 今も僕を照らしてる
祠の前で手を合わせ 苔に触れた君の指先
夜空の星が瞬き 山の空気が密に寄り添う
谷間に差し込む光が 二人の影を長く伸ばす
君が笑った瞬間に 永遠を信じられたんだ
「帰り道は怖くない?」
そう聞かれて 僕は冗談でごまかしたけど
深呼吸をすれば 霧と森の匂いが勇気になる
君と歩いたこの道は 小川のせせらぎも祝福に変えて
どんな点の記より 強い証を残したんだ
凍える手を握って 鼓動で確かめ合って
森の静けさと光の中で 全部報われた気がした
霧が晴れ 谷を渡る光の柱が二人を包む
風に揺れる針葉樹が 僕らの歩みを見守る
君の声が今でも 森の呼吸と共に鳴り続けてる
君と歩いたこの道は 記録には残らなくても
山肌に落ちる光と影が 僕らの形を描き続けてる
雲を抜け 朝日に染まった瞬間を
僕は一生忘れない
——山頂で交わした言葉が 僕らの未来になった
風が止んで 霧が流れて
君と僕の声だけが 森に響いてた
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