








**「氷壁の向こう」**
凍った谷の向こうで
君の息が白く揺れる
軽く笑って、でも手は震えて
俺たち、まだ頂上を知らない
岩の裂け目に名前を刻む
「ここから先は、もう戻れない」
言葉よりも心が走る
霧の中で君を探した
風が頬を叩くたびに
昔の喧嘩がフラッシュバック
でも目を合わせたら、全部消える
登るほど、近づく気がした
落ちそうな足場の上で
「もう無理かも…」って小さく呟いた
でも俺は手を伸ばした
「一緒に行こう」って、声だけ信じて
雪が降り積もるたび
心も重くなるけど
君の笑顔ひとつで
また登りたくなるんだ
氷壁の向こうで
僕らの影が重なってる
叫びも涙も全部抱えて
まだ見ぬ空へ飛び込むんだ
頂上で笑う君と
凍える指を握りながら
「怖くないよ」って言えたら
世界が一瞬、止まった気がした
霜の結晶に映る僕の顔
君も同じように震えてる
沈黙の中で小さな手が
俺の手に触れた瞬間、救われた
「行こう」って君が笑った
まるで嵐の中の光みたいで
足元の氷が割れそうでも
一緒なら怖くなかった
氷壁の向こうで
僕らの影が重なってる
叫びも涙も全部抱えて
まだ見ぬ空へ飛び込むんだ
頂上で笑う君と
凍える指を握りながら
「怖くないよ」って言えたら
世界が一瞬、止まった気がした
風は止み、雪は溶けて
静かな谷に二人だけ
足跡は消えても
心の山はずっと残る
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