ピンネシリの空に(Contemporary Folk)
kazuo
Music(音楽)
:
2025/8/23 21:29
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**「ピンネシリの空に」**
ゲートを越えて 舗装の坂道
ただ静かに 二人は歩き出す
朝の森は 濡れた匂いを纏い
まだ眠る石狩平野を背にして
登るほどに 霧は深く
レーダードームも 白に沈む
「きっと晴れるよ」 小さな声が
足取りを支える 灯のように
山頂は ただ風の音
見えぬ景色が 二人を抱く
そこにあるはずの大雪山も
増毛の稜線も 雲の向こう
ピンネシリよ ガスに包まれ
祈りのように 立ち尽くす
見えぬものこそ 記憶に残り
ふたりの胸を 結び合わせる
稜線を南へ 道は細く
霧の帳を抜け出すたび
足元に広がる 花の帯
**エゾカンゾウ チシマフウロ**
霧に濡れて 揺れていた
「見えないけど きれいだね」
笑い声が 風に溶け
マチネシリの峰も ガスに霞み
ただ確かなのは 手のぬくもり
マチネシリよ 風を纏い
見せぬ景色で 二人を試す
花に囲まれ 霧に包まれ
歩む姿が 未来を描く
下山の道で 霧はほどけ
「ほら、青空だ」 指差す先に
石狩平野の光が広がり
徳富ダムの水面がきらめく
林道を戻る影は長く
笑い声が 森に響く
振り返れば 白い雲
見上げれば 蒼の大空
ピンネシリよ その頂に
今日の祈りを置いてきた
見えぬ景色も 確かな記憶
マチネシリよ 風に揺れて
二人の声を 運んでくれ
霧の中で交わした言葉
晴れわたる空に溶けてゆく
「また来よう」 と笑いあった
あの稜線を 思い出しながら
この歌詞は、北海道・新十津川のピンネシリからマチネシリへの周回登山を題材に、自然と人の心の重なりを描いています。山頂や稜線は濃いガスに覆われ、期待した大展望は得られません。しかし、その「見えない景色」が逆に夫婦の絆や歩む力を象徴し、霧の中で交わした小さな言葉や笑い声が、確かな記憶として刻まれていきます。稜線にはエゾカンゾウやチシマフウロが咲き、花々が道しるべのように二人を導く描写が加えられ、自然の生命力が物語を支えています。下山するにつれて天候は回復し、石狩平野や徳富ダムの眺望が現れる場面は、試練を経て心が解き放たれる象徴的なクライマックス。全体を俯瞰で語りつつ、夫婦の会話の断片や象徴的な情景が折り重なり、見えなかった景色そのものが「心の風景」として残ることを静かに伝えています。 ...
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