








**「登るだけが山じゃない」**
川辺に腰おろし ブーツの泥を落として
おまえが笑った声 思い出して目を閉じた
夕陽が山の背を 赤く染めて沈んでく
手紙も写真もないけど 心はずっと隣にある
俺はまだ 旅の途中
約束もなにもできなかったが
もしも信じてくれるなら
この道を真っ直ぐに行くさ
登るだけが 山じゃない
降りるときこそ 膝が笑う
でも俺は へたり込まねぇ
おまえの待つ場所へ たどり着くまでは
焚き火に手をかざし おまえの手を想った
冷たい風がほお打つが 胸の奥はまだ熱い
山の静けさは おまえの寝息のようだよ
眠る前に「気をつけて」と 言った声が耳に残る
夢の中で逢えるなら
今すぐ眠ってもいいけれど
朝日がまた昇るなら
歩き続けて 迎えに行く
登るだけが 山じゃない
心の荷物 重くたって
おまえを想えば 背筋が伸びる
この足で 明日を目指すよ
風が鳴いていた 峠の上で
おまえが俺の名を呼んだ気がした
「迷うなよ」って 笑ってるような声だった
だからもう 迷わない
獣道に落ちてた 小さな花を拾った
握りしめたら まるで心が温かくて
おまえがそこにいるような気がした
それだけで、今日も歩けるよ
登るだけが 山じゃない
ときには転げ落ちてもいい
ただ一つ 信じてほしい
おまえを愛してる この命で
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