氷の塔(Folk)
kazuo
Music(音楽)
:
2025/7/28 11:43
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**「氷の塔」**
寒い夜明けに目をこすり
テントの影に心を置いて
あいつの息は白く、荒く
俺の手は凍えて動かねぇ
「もう少しで…」って何度も言った
だけど、そいつは戻らなかった
K2の尾根 風が叫んでた
その声が 今も耳に残る
高地に置き去りにしたのは
あいつの身体(からだ)じゃなくて
希望ってやつかもしれねぇ
帰り道 足音が重くなる
ザイルを引けば 夢がきしむ
眠るなよって 誰かが叫ぶ
だが答える声はなく
氷の塔だけが空に立ってた
下山の途中 何度も
振り返っちまった
誰かがそこに立ってる気がして
吹雪の幻にすがった
真っ白な世界に
名前を置いてきた
生きて戻るってことが
あいつの夢だったはずなのに
医者だった俺に
できたのは見守ることだけ
死と紙一重の深夜(よる)
あいつの目が俺に語ってた
「もういいさ、行け」って言ったんだ
唇が動いた気がしたんだ
その瞬間、俺は知ったんだ
ここは登る場所じゃねぇってことを
風にさらわれた
あいつの声が
今も耳元で囁く
「お前は生きろ」ってさ
俺はこの山に
心を置いてきた
戻ってきた俺の中で
あいつが今も生きてるんだ
この歌は、壮絶な登山遠征の最中、仲間を失った男の視点から語られる物語である。極限の寒さと薄い空気の中で、仲間を助けることもできずに生きて帰るという選択をした後悔と痛みが、静かな語り口で紡がれている。山の過酷さと人間の限界、友情、そして喪失が折り重なり、死と向き合った瞬間の記憶がリアルに描かれる。登山という試練を通して、命とは何か、生きる意味とは何かを問いかけるような一曲であり、悲しみと敬意が滲むブルース調のメロディに乗せて、失われた声が心に響く構成となっている。 ...
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