








**「果てなき峰へ」**
彼は登っていた
白き牙を剥く 無言の山へ
その一歩は 深い闇に
その息は 空の祈りに
誰も知らぬ孤高の影
嵐に飲まれ 傷だらけの足跡
けれど彼は 立ち止まらない
ただ頂を見つめていた
人が夢と呼ぶものは
時に命を奪う牙となる
だが彼にとってそれは
生きる証そのものだった
果てなき峰よ 応えるのか
その問いに 彼は叫ぶ
凍てつく空を 切り裂く声が
生の証を 刻みつける
仲間の笑顔は はるか下に
過去の誓いは 雪に埋もれ
背負いし孤独は 重さを増す
それでも彼は 登り続けた
限界を越えたその先に
答えはあるか 誰も知らぬ
だが確かに その眼差しは
山とひとつに溶けていた
果てなき峰よ 応えるのか
その問いに 彼は叫ぶ
凍てつく空を 切り裂く声が
生の証を 刻みつける
もしも明日が訪れなくても
彼の一歩は 消えはしない
山が呑み込み 風が運ぶ
永遠に語られる物語となる
果てなき峰よ 応えるのか
その問いに 魂は燃えた
闇を越えて 響く声が
人の夢を 永遠にした
語り継がれるだろう
あの日 あの山で
ひとつの命が
空に溶けたことを
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