








**「夏の抜け殻」**
夜明け前の海沿いを 二人きりで走ってた
言葉なんていらなくて 君の髪が揺れていた
冷たい風 胸をすり抜けて
止めどなく思い出が増えていく
ほんの少しの嘘さえも 今は愛しく思える
夏が終わる音がして 心が少しだけ軋んだ
抱きしめた きみの背中 泣きたいほど熱かった
逃げるように笑った日々が 胸の奥で光る
終わりを知ってたのに 触れたくて 溶けたくて
青い空 青い車 夢のまま 置き去りにした
コンビニのアイスコーヒー ぬるくなって笑い合う
くだらない話ばかり それでも幸せだった
黄昏が追いかけてくるたび
帰り道が怖くなったんだ
「さよなら」は言わないでと 心でずっと唱えてた
でも季節は残酷に ぼくらを次へ運んでく
すれ違う 風のなかで 君の声が揺れていた
遠ざかる影を見つめて 立ち尽くす僕がいた
名前を呼ぶことさえ 許されない今だけど
青い空 青い車 今でもまだ 眩しくて
夢の続きなんて どこにもないってわかってる
だけど君がいた季節は 本当に輝いてたんだ
抱きしめた 最後の夜 言葉よりも確かだった
あの夏を忘れないと 何度も心に刻んだ
もう戻れない日々に 手を振って 歩き出す
青い空 青い車 抜け殻でも 君がいた
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