







**「夜走り」**
冷えたメーターが夜空映して
エンジンの鼓動は僕の心拍(しんぱく)と重なる
タイヤが刻むアスファルトのリズム
遠く消えた街灯が追いかけてくる
ヘルメットの中 君の吐息が震えて
風切る音に紛れても 伝わる温もりがある
アクセル握る手に誓いを刻んで
夜走り 無数の星を見上げながら
君の笑顔がヘッドライトに揺れる
誰にも知られぬ秘密の道を
二人だけの時間(とき)が永遠(とわ)に続くんだ
マフラーが吐く白い吐息は冬の歌
手袋越しの冷たさが 生きている証を刻む
路肩に溶け込む影を越えて
胸の奥で鳴るエンジンはまだ止まらない
街の灯りが流れて 風景が移ろう
路面の濡れた石が闇に輝く星屑みたいで
すれ違う時間の狭間で 君を見失わないように
夜走り 冷えた空気を裂いて進む
君の声が風に乗って胸に響く
恐れずに闇を切り裂き続けた
あの日の約束は今も変わらず輝く
闇夜の深淵(しんえん)に浮かぶヘッドライト
風が運ぶ過去の匂いは君の吐息
揺れる路面に願いを刻み込んで
終わらない夜をふたり走り抜ける
夜走り 君と刻んだ熱い約束は
胸の奥で火を灯し続ける
誰にも見えない深い道の上で
あの日の僕らはまだここにいるよ
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