








**「風にまかせて」**
若かった 怖いものなんてなかった
見上げる空は 果てしなくて
夢はすぐに叶うと 本気で信じてた
あなたの声が 背中を押してくれた
石ころだらけの坂道 転んでは立ち上がって
傷ついても笑っていたのは
失うことの重さを知らなかったから
長い年月が 頬を撫でていく
季節の隙間に あなたがいる
思い出はいつも やさしくて残酷で
忘れたはずの涙を 静かに呼び戻す
いくつも道を選んで でも選ばなかった道の
その先にいたあなたのことを
今さら 探してしまうのはなぜ
風にまかせて ほどけてく心
あなたといた日々が いまもまだ支えてる
もしも時間が 逆に流れるのなら
何を選び 誰を愛しただろう
風にまかせて 流れゆく日々に
名もない祈りを そっと託してみる
それでも届かぬと 知っているから
せめてこの声を 夜空に投げるの
あなたが最後にくれた言葉は
「大丈夫、きっとまた笑えるよ」
だけどその声が 胸の奥で何度も揺れて
“さよなら”よりも深く残った
手を振ったあの日の 背中の景色だけが
色褪せることなく くっきりと焼きついてる
幸せだったって 言えるようになるまでに
どれだけの季節を 越えればいいの
わたしは強くなれたかな?
それとも ただ慣れただけ?
誰にも聞けない問いだけが
いまも胸を締めつける
風にまかせて 忘れていけるなら
この手のひらの傷も 意味を持てるのに
何かを手放し 何かを残した
そのすべてが あなたでできていた
風にまかせて 遠ざかる光
たとえもう戻れなくても
この道が続くかぎり
あなたを想いながら 歩いていける
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