**「君の影を抱いて」**
「ここにいる?」
「いるよ、ずっと…」
その言葉だけで、
夜の山が狭くなる
君の息が白く揺れて
それを両手で包んだら
星より確かな 灯に見えた
「もう離さない」
──雪の上に落ちた声は
誰にも拾われない秘密になる
世界が消えても 君の輪郭を辿る
**「倒れるな、倒れるな」**
胸の鼓動を 互いの足音に重ねて
君の瞳は風より強く
私を捕まえて離さない
「もし落ちても、救うのは私だ」
──その冗談さえ
今は祈りのように胸を縫い止める
「怖いの?」
「怖いのは…君を見失うこと」
「なら、影になっても傍にいる」
──ふたりの声が絡まり
山も風も 聞き取れなくなる
目を閉じても 君の指先が道しるべ
**「倒れるな、倒れるな」**
心は崖を越えて
二人だけの朝に たどり着く
風の稜線で 君を抱きしめる
声にならない言葉で
「ここにいる」
──それだけで
世界は狭く、そして永遠になる
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