








**「声が届くなら」**
ゆるやかな風が吹いた あの峠を越える頃
君が手を離した理由 まだ胸に突き刺さる
踏み込めば壊れる そんな愛だと知ってたのに
ひとひらの想い 黙って差し出してしまった
そう信じたくて 置いてきた言葉がある
君の影は遠く 光に飲まれていった
背を向けるその背に まだ名を呼びたかった
何を守ったのか 何を失くしたのか
今なら言えるさ でももう言えないことばかり
「愛してた」って言えば 君は止まったのかな
でもそれはただの 自分のための言葉か
声が届くなら 今ここで叫びたい
君の歩く先に まだ花が咲きますように
約束もしなかった それがやさしさだと
思い込むことでしか 僕は君を守れなかった
あの夜 星はなかった 雲ばかりの空の下
君の手が震えてたことに 気づかなかった
“ごめん”と呟いた 君の声は消えなかった
胸の奥で今も 何度も繰り返してる
優しさが時に ナイフになるとしても
君の痛みの全てに 触れる勇気がなかった
もう一度会えても きっと黙ったまま
だけど今はただ この歌だけは届けたい
声が届くなら この風に託したい
君の涙のあとに 小さな虹が架かりますように
遠くなった背中に もう手を伸ばせないけど
あの日の沈黙だけは いまも愛している
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