








**「遠くの街まで」**
夜の終電 駅のベンチ
コートの中で指を重ねた
言葉少なに 君が笑って
「逃げてもいいよ」って つぶやいた
古びた地図と 小さなカバン
置き去りの夢 まだ捨ててない
だけどあの日 背中向けた街
今も胸に 刺さったまま
速い車に乗って 遠くの街まで行こう
信号が青に変わったら もう振り返らない
この街じゃ 息もできない
でも隣に君がいれば
少しは 生きていける気がしたんだ
父は飲んだくれ 母は黙って出ていった
気づけば私が 家を守ってた
あのキッチンの匂い あの小さな怒り
思い出すたびに 心が軋む
君は言ったね 「働けば変えられる」
でも現実は いつも私の少し先
アクセル踏み込んでも 風は冷たく
自由って こんなにも遠いの?
速い車で今夜 逃げるように走るけど
ミラー越しの記憶は 消えてくれない
それでも どこかに希望が
まだあると 信じたくて
君と 明日を作りたかった
赤信号で そっと肩が触れた
君の視線が 何かを言いたげで
私はうなずく それだけでよかった
二人の間に 言葉はもういらない
速い車に乗って 夜明けを追い越して
眠れない心ごと 走り出すの
終わらせない夢を 一つだけ抱いて
君と 今を選んでいたい
きっと それが愛なんだ
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