








**「まばたきしたら恋だった」**
時計の針 音もしない部屋
ねぇ、誰も 私を見ないね
(カーテンの隙間 朝焼けが泣いてた)
黒髪まとめて 視線を下げて
笑い方も 空気のまねごと
でも名前を呼ばれた日
心がちょっと跳ねた
「地味だね」なんて もう慣れてたのに
あなたの声だけ やけに残るの
校舎の角 すれ違った
白いシャツが 風を連れてた
まばたきしたら 追ってた
気づいたら 胸が痛かった
世界が色づいて ざわついて
こんな私 知らないのに
恋しちゃったの この胸ドンって鳴って
地味なままで 隠しきれない声
恋しちゃったの あの横顔に全部
ねぇ 聞こえてる? 聞こえててよ
私の名前をもう一度
午後三時の図書室 君がいた
指先がふれた本のページ
雨音が ふたりを包んだ
鼓動だけ うるさかった
ねぇ見てた? 私を見てた?
あの沈黙 やさしくて痛い
今もまだ 信じたいよ
君が 特別だったこと
恋しちゃったの 忘れたふりしても
心の奥で 名前がこだましてる
恋しちゃったの もう戻れない場所へ
ねぇ あのときの 「またね」がまだ
私をほどけないまま
誰かに見せる笑顔は
ほんとうの私じゃないけど
君の前じゃ こわかった
壊れるくらい 好きだった
恋しちゃったの あの目が全てだった
まばたきの間に 運命は来てた
恋しちゃったの 名前を呼ばれた時
世界が変わった 地味な私
いま、やっと――私になれたの!
「君の前だけで 私が踊れるの」
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