








**「波のまにまに」**
海の向こう 誰かの声がする
霧がゆれて 心が揺れる
君は急に立ち止まって
「このままじゃダメなんだ」って
僕は何も言えずに
ただその横顔を見てた
「傷つけたいわけじゃない」
君の声が波にまぎれて
風が追い越していった
その背中が遠くなる
波のまにまに ふたり流れた
いつか違う場所に着くのなら
君の言葉を 最後まで聞こう
僕は もう逃げないから
「思い出だけじゃ、生きられない」
そんなふうに笑う君の
目の奥にあった光が
今も胸の奥 照らしてる
「忘れたいわけじゃない」
その声が耳を離れない
夏の匂いが胸を刺して
答えのないまま歩いてる
波のまにまに 揺れる心は
嘘も真実も飲み込んでいく
過ぎた言葉が 砂に消えても
ここにあった ぬくもりは残る
「それでも生きていくしかない」
君の声が 空にほどけた
僕の胸は まだあの日から
ひとりごとを 続けてるんだ
波のまにまに 言葉を流し
届かなくても 呼びかけていた
夏が過ぎて 君が消えても
僕の中に 君は生きてる
海霧にまぎれた さよならのかわり
君の気配が 風になった…
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