








**「ポケットに残った歌」**
ギターをぶらさげて 街角に立つ
ポケットの小銭が カランと鳴った
あなたがくれた マフラーほつれている
それでも あたし まだ歌える
バスが通りすぎるたび
あなたが乗ってる気がして 目をこらす
あの日の約束 ひとつだけ
ポケットの奥で まだあたたかい
灰色のビルに 声が消えて
誰にも聞こえない ラブソング
それでもいいの それでもいいの
あなたにだけ 届けばいいから
夢なんかじゃ 腹はふくれないって
あなたは笑って 肩をたたいたね
だけどなぜだろう 今夜もここで
冷えた指で 弦をはじいてる
誰にも負けないつもりだった
誰よりも強いふりしてた
それでもあなたの 「頑張れよ」が
いちばんの 魔法だったんだ
ポケットに残った ちいさな歌
破れた靴で リズムを踏む
涙も夢も 雨にまかせて
あたしは今日も 歌ってる
あの日 君が言った
「逃げたっていいよ」って
ほんとは それだけで
生きていけたのかもしれない
でもね
今もここに 立ってる
ぼろぼろの 歌 ひとつだけ
握りしめたまま
ポケットに残った あなたのこと
錆びたギターで 奏でてる
夢も恋も 冬の風に
あたしは今日も 歌ってる
ギターをぶらさげて 街角に立つ
ポケットの小銭が カランと鳴った
あなたがくれた マフラーほつれている
それでも あたし まだ歌える
投稿者 | スレッド |
---|