







**「風の通り道で」**
山の向こうに 陽が落ちてく
畦道には 草の匂い
カラスが一羽 電線に止まり
今日も変わらぬ町の暮らし
帰ってきたよ なんとなく
あの夏が 忘れられなくて
麦わら帽子の 影を追えば
君の笑顔が 浮かぶんだ
風の通り道で 君とすれ違った
何気ない日々が 宝物だった
手を振れなかった あの日の僕に
今ならそっと 歌ってやれる
「大丈夫さ ここが帰る場所」
川の音が 話しかけるように
胸の奥 そっとゆすってくる
駅前の店は シャッターのまま
でも心だけ あの頃のまま
夜になると 虫の声が
静かな時間を 包み込む
月明かりだけが 照らす道に
君の足音 聴こえそうで
風の通り道で 君を思い出す
わけもなく笑いあった季節
涙は出ないけど しみるように
胸に残る 君のぬくもり
「また会えるね」って 言えたらよかった
線路の先に 見えない未来
でも歩いてく この足で
大人になるって こういうことか
やっとわかった気がするよ
風の通り道で ひとり立ち止まる
心はまだ 君を探してる
だけどこの景色が 教えてくれる
変わっても 忘れちゃいけない
君がいたことが 僕の今なんだ
山も川も 同じまま
君の笑顔も 風の中
今もそっと ここにいる
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