
エンジンは黙ったまま(Folk Jazz)
kazuo
Music(音楽)
:
2025/4/8 22:02
22
0







**「エンジンは黙ったまま」**
助手席に 君はいない
でも 君の輪郭が そこにある
昨夜の匂いが まだ残って
それすら 疑いたくなる
口を開けば 壊れそうで
僕はハンドルを 強く握った
「どこまででも行ける」って 言ったね
それが最後の 嘘だった
エンジンは 黙ったまま
燃えないはずの想いが 焼けていく
君を乗せた 影だけが
どこかの闇を 滑っている
灰になったような タバコのあと
誰が吸ったかも わからない
君を連れて行ったのは
俺か あいつか それとも
ナビは静かに 「目的地なし」
窓の外では 雨が降ってた
あの夜と 同じ音だった
同じ…だったはずなのに
エンジンは 黙ったまま
熱はあるのに 動けない
君がいた 空気だけが
ずっとシートに 沈んでいる
コンビニの光 背中を照らす
空き地で見た 焼け跡の車
ナンバープレートは 外されていた
それでも…君の名を呼んだ
この歌詞は、失踪した恋人を巡る男の視点から描かれた内面の独白です。彼はかつて共に過ごした車内の記憶と向き合いながら、彼女の不在を受け入れられずにいます。現実と記憶、事実と妄想の境界が曖昧になっていく中、彼女を乗せた「何か」が闇へと消えていくイメージが繰り返されます。沈黙するエンジンは、動けなくなった心や断絶した関係の象徴。雨や空き地、焼け残った車といった情景が、彼の心の闇を映し出すように絡み合い、真実に手が届かぬまま、彼はただ独り問い続けます。 ...
投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。
投稿者 | スレッド |
---|
execution time : sec