








**「春灯(はるあかり)」**
ひと駅歩く帰り道 ヒールが少し擦れてた
桜の花 もう散る頃ね
あなたと並んだ道 静かすぎて 泣きたくなるの
出会った頃の自分なら
もっと素直でいられたかな
「好き」って言葉 飲み込んだ日も
どこかであなたも 気づいてたでしょう?
春灯に照らされて 思い出が色を戻す
名前よりも 忘れられない
笑い声と 指のぬくもり
会いたくなる夜は 悪い夢であってほしいの
ねえ、今 誰かの隣で 眠れていますか?
キャリアも住む場所も そこそこ満たされてるけど
「愛されること」は 置き去りにした気がして
ふと開いたSNSに 見つけたあなたの笑顔
幸せそうね それだけで 涙が滲んでくる
春灯に揺れる影 あの夜の背中みたい
言えなかった「ごめんね」が
今も胸で疼いてるの
大人になるってこういうこと?
何かを手放すことでしか
前に 進めないこと解ってる
わたしばかり、
まだ春に置いてかれてるみたい
でも、嫌じゃないの
あなたがいた季節を 忘れたくないから
春灯に照らされて 静かに涙こぼす
時が流れても消えない
淡い光と 桜の香り
心の奥にそっと あなたがいることだけ
この春も 大切に抱きしめてる
あなたに もう会えなくても
私は ちゃんと生きていくわ
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