








**「光の先へ」**
「起きてる?」そっと声をかける
カーテンの隙間 朝が滲む
「んー…あと5分…」
眠そうに笑う君を見て
なんだか少しホッとした
「今日も頑張る?」
「うん、たぶんね」
“たぶん”の意味が ふわり胸に刺さる
大丈夫って言いたいのに
言葉は喉の奥で止まった
この手を伸ばせば 君に届くかな
何も言わずに ただ支えたくて
沈黙の中で ほどける不安もある
「行ってくるね」 その声を信じたい
駅までの道 風が冷たくて
ふと君の袖を 掴んでみる
「どうしたの?」
「なんでもないよ」
強がるたびに 揺れる心
「夢ってさ、叶うのかな?」
「叶えるものでしょ?」
即答する君の横顔に
少しだけ 未来が見えた
この風の向こうに 君の明日がある
迷わずに進んで ほしいけど
私はここにいて 何ができるんだろう
「頑張れ」より そばにいたい
「大丈夫?」なんて聞けなくて
ただ隣を歩いたけど
君の目が映す明日は
きっと私より 強いんだね
この手を伸ばせば 君に届くかな
どんな夜も 光へ変えよう
「行ってきます」って いつもの笑顔で
振り返る君を ずっと見送る
「いってらっしゃい」 小さく手を振る
朝日に溶ける 君の背中
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