








**「滲む色」**
六畳の天井 剥がれたポスター
鉛筆転がる 使いかけのノート
指先のインク 昨日のまま
時間だけが 素通りしてく
青いバスの窓に映る
ぼやけた顔 誰のもの?
街の音に飲み込まれて
問いかけた声 霧に消えた
滲む色 手を伸ばして
乾かないままの心のキャンバス
「間違いだらけでいいんだよ」
君の声が 風にまざる
川沿いのガードレール かすれた落書き
遠ざかる背中 赤いマフラー
呼び止めたくて 踏み出せなくて
靴ひもの先 結び直した
電車の窓に沈む影
行き先だけが光ってる
君の言葉が胸に刺さる
「まだ間に合うよ、きっと」
滲む色 風に溶けて
掴めないままの淡い約束
「大丈夫だよ」って言えなくて
僕はまだ ここにいる
路地裏の信号が
赤から青に変わるたび
止まる理由を探してた
でも 本当は知ってたんだ
滲む色 手のひらに
染み込んでいく消えない言葉
過去も全部 抱えていこう
新しい朝が滲んでいく
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