オリジナル曲♪
**「インクの温度」**
本棚の隙間 陽の匂いがした
黄色い表紙を そっと開いた
君の字は丸く 少し右に傾いて
最初のページに 名前があった 僕のじゃない誰かの
時計の針だけが 部屋で進んでいた
指がページの端で 止まった
めくる音だけが 部屋に響いて
(ah...)
知りたくなかった 続きがある
君は誰に 傘を差し出したの
君は誰の 名前を三度書いたの
ノートの余白に 咲いてる花の絵は
僕の知らない 季節の色をしてる
(oh, oh...)
教えてよ もう遅いけど
写真の裏に 日付だけが並ぶ
僕といた日は 一行で終わってる
別の頁で 君は長く笑ってた
その字だけが やけに躍っていた
怒る言葉を 探したのに
喉の奥で 溶けて消えた
(no, no...)
君の幸せの形が 見えてしまった
君は誰に 傘を差し出したの
君は誰の 名前を三度書いたの
ノートの余白に 咲いてる花の絵は
僕の知らない 季節の色をしてる
(oh, oh...)
それでも君の 明日を願うよ
本を閉じて 棚に戻す手が
ほんの少し 震えていた
誰も見ていない 部屋の中で
一度だけ 声に出して呼んでみた
届かないと 知っている名前を
呼んだ声が 壁に吸い込まれてゆく
君は誰に 傘を差し出したの
君は誰の 未来を描いたの
ノートの余白は 僕のものじゃなかった
それでも読んでよかったと 今は思う
(oh, oh, oh...)
(let it go, let it go...)
最後のページに 僕は書き足す
「幸せに」と 小さな字で
(fade with me...)
(oh...)
黄色い表紙を 棚に戻した
陽の匂いだけが まだ残ってた
指の跡だけが 静かに残る



