








**「涙のあとで」**
あの日 ひとつだけ 違ったのは
曇り空が いつもより 明るかったこと
車の中 君は歌ってた
僕はそれを 笑って聴いてた
強がりばかりで 何も言えずに
「じゃあ きょうはここまでにしよっか」
そんな言葉だけが やけにやさしくて
君が いなくなるなんて
涙のあとで 君の名前を
何度も呼んで 唇ふるわせた
すがるように 空を見上げた
あの日の風が まだここにいる
白い光が まぶしすぎて
後ろ姿も 見えなかった
あたためた言葉が てのひらで
静かに 溶けてゆく
どうして もっと 君に触れなかった
なぜ たった一つを 守れなかった
二人で描いた 地上絵のあと
今は 何も 残らない
涙のあとで ただ一つだけ
心に今も 残るぬくもり
声にならない さよならより
君の笑い声が 欲しかった
もしも もう一度だけ 戻れるなら
その手を ぎゅっと 離さないよ
どんな嘘でも いいから 君のそばに
いたい それだけだった
涙のあとで 僕は歌う
君がいたこと 決して忘れない
この胸の中 優しい光
それが 君の 面影
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