







**「君のいない朝に咲く花」**
静かに カーテンが 夜の名残(なご)りを揺らして
ぬくもり 枕の端 まだ夢の中
「じゃあね」と 残された 声が耳を離れず
まぶたの 裏側で 君が微笑む
君のいない朝に 咲いた 白い花
風にほどける さよならを 見つめてた
泣きたくなるほど 空が透きとおって
きっと君も どこかで見てる――
忘れないでね この景色ごと
「愛してた」より深く
雨の日 交わした嘘 交差点の傘の中
「平気よ」 震えてた 君の声が
赤い傘 ゆらりと 沈黙に包まれて
胸の奥 そっと今も 疼いてるの
君のいない朝に 響く 鳥の声
止まった時計 まだ あの日を刻んでる
指先でふれた 最後の温もり
言えなかった ありがとうだけ
今、風にのせて 消えてゆくの
さよならの向こうへ
誰かを 愛して 君を思い出す夜
それでも この痛みごと 歩いてく
君のいない朝に また 咲く白い花
ふいに 君の声が “生きて”と囁く
その言葉に 背を押されて
少しずつ 前を向けたの
忘れないから この景色ごと
君の愛が ここに――あるから
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