








**「あなたの名をなぞる」**
朝も夜もわからない空で
霧の向こう あなたの夢が降る
触れずに触れた 指先の記憶
名前より先に 愛を覚えた
吐息で描く 円のしるし
時間をとかす やわらかな魔法
あなたのいない未来でも
わたしはまた あなたを選ぶ
ねえ 抱いて
終わりが見えていても
この一瞬が永遠になる
あなたの鼓動で わたしを満たして
沈黙が甘くほどけてゆく
雨の音 背中を伝って
肌の奥 言葉が芽吹いてく
悲しみさえ 蜜のように
あなたとなら 美しい罠になる
ふたりで紡ぐ ひとつの時間
過去も未来も 指の間に
どんな運命でも構わない
あなたの目が 今を照らすなら
ねえ ほどいて
この心の重力を
すべてを知って、それでも
あなたの名をなぞるたび
わたしは生まれかわるの
「言葉は贈りもの」って
囁いた夜を まだ覚えてる
その声が 波のように
わたしを優しく壊してく
ねえ キスして
時間が終わるその前に
愛がすべてだったこと
何も語らずに伝えたい
この身ごとあなたに捧げる
たとえ未来が
わたしたちを引き裂いても
この瞬間にすべてを賭ける
あなたがここにいた証のために
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