







**「虹の向こうへ」**
静かな朝に カーテン越しの光
君が残した 銀色の傘が揺れる
路地裏に響く 雨粒のワルツ
跳ねる雫が 記憶を揺らす
坂道の途中で 頬を濡らした雨
細い指先 そっと差し出して
もう一度、君のもとへ
君が待つあの場所へ
雨のあとで 虹が架かるように
にじんだ空のキャンバスに 七色の橋がかかる
胸に抱いて 歩き出す
改札を抜けて 濡れたホームの隅
水たまりに映る 雲の切れ間
君が最後に立っていたあの場所
頬を伝う雨と 言葉にならない想い
夕暮れの匂いと 揺れる銀杏並木
夢のように 消えない温もり
もう一度、君のもとへ
約束のあの丘へ
雨上がりの空に 光が差し込むように
紅と橙 藍と藤色の夢
そっと触れて 歩き出す
雨粒のリズム 君と過ごした時間
掌に残る 優しい雫
もう一度、君のもとへ
あの雨上がりの空へ
涙のあとで 光が射すように
この胸の奥の景色が 色づいてゆくから
もう迷わず 歩き出す
投稿者 | スレッド |
---|