**「岳人の祈り」**

岩壁に刻む　指の痛み  
雪渓を染める　朝陽の赤  
風が叫ぶ　命の儚さを  
それでも進む　頂の向こうへ  

祈れ、祈れ　この一歩に  
嵐の夜も　星の瞬きも  
山が教える　生きる意味を  
岳よ、岳よ　我が魂の灯（ともしび）  

静寂の中　聞こえる鼓動  
霧の中　浮かぶ石仏（いしぼとけ）  
足元に咲く　名もなき花よ  
その小さき命　何を語るのか  

祈れ、祈れ　この一歩に  
崩れる道も　凍える空も  
山が映す　人の弱さを  
岳よ、岳よ　我が魂の灯  
 
頂（いただき）に立ち　見渡す世界  
雲海の果てに　広がる青  
振り返れば　遥かな道のり  
山は黙して　ただ微笑むだけ  

祈れ、祈れ　この一歩に  
果てなき空も　深き谷間も  
山が抱く　人の夢を  
岳よ、岳よ　永遠の祈りよ