








**「君が何も言わない夜に」**
君が黙って 窓の外を見てた
街灯の下 風が落ち葉を運んでた
この季節になると 思い出すんだ
ふたりが初めて 手をつないだ夜のこと
部屋の奥で ラジオが小さく流れて
音楽も言葉も 遠いどこかの景色みたいで
ただ君のとなりに 静かに座ってた
その沈黙が なぜかいちばん心地よくて
言葉にすれば 壊れそうな夜があった
だから僕らは 黙って寄り添った
君の気配だけが 答えだった
わかり合うのに 声はいらなかった
君は決して 強くは言わなかったけど
その静けさの奥に 揺るぎない心があって
どんなときも 君のまなざしが
迷ってた僕を そっと正してくれた
なにも言わず 見つめるだけで
こんなにも 伝わるんだって
初めて知ったよ 誰かと生きるって
静かだけど 深いものだね
騒がしい世界の どこにいたって
君の気配だけで 帰れる気がした
言葉よりも 確かだった
君が何も言わない夜に
誰よりも まっすぐで
誰よりも やさしかった
それが 君らしさで
だから僕は 救われていたんだ
言わなくても 通じあえた
君がそっと 笑っただけで
どんなに不安でも 胸があたたかくなる
君がいる それだけでよかった
声にならない想いのなかに
ふたりだけの言葉があった
何も足さずに 信じられた
君が何も言わない夜に
投稿者 | スレッド |
---|