








**「まぶたの向こう」**
窓を開けたら 海のにおいがしたの
コーヒーはちょっと苦くて あの日みたいだった
あなたがいないだけで 景色はなんでこんなに
騒がしくなるのか わからないけど
笑ってたはずなのにね
急に胸がきゅっとして
まぶたの向こうに 浮かぶ声がある
忘れたふりをしても ちゃんと聞こえる
バカみたいに素直なまま あなたを好きだった
あの頃のわたしに 戻れないのに
買い物袋をさげて 歩く帰り道で
ふと立ち止まってしまう 理由もないのに
あなたがいた日々と 今のわたしと
どっちがほんとの自分か わからなくなるよ
わかりたくて 見ないふりして
それでも心が追いかける
まぶたの向こうで 微笑むあなたが
「元気でいろよ」なんて ずるいよほんとに
泣きたくなる夜ほど 強がってしまうから
誰にも気づかれずに また夢を見る
忘れていいよって言ってよ
その一言だけがほしかったのに
まぶたの向こうに 今もいるくせに
触れられない距離だけ はっきりしている
好きだったことよりも 忘れられないことが
いつまでも わたしを離さないの
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