








**「夜に溶けた声」**
水の底 あなたの声が
耳の奥でまだ 揺れている
誰にも見えない 時間の影で
ふたりだけ 話せた言葉
逃げるように抱き合った夜
月も黙っていた
息を合わせた一瞬が
永遠に変わると知ってた
ねえ どうして世界は
違いを罰にするの?
心が溶けるほど愛しても
触れられない 夢になる
僕ら 水に沈んで
同じ空を見るんだ
言葉のいらない世界で
ただ きみを抱きしめたい
鍵のかかった部屋の奥
窓のない未来図
それでも 光を探した
あなたの瞳に 僕がいた
この手があなたを守るなら
すべてを失くしていい
静かな絶望さえも
愛しさで染まってゆく
ねえ どうして希望は
奪われてゆくの?
叫んでも届かない祈りを
今 歌に変えている
世界が裂けてゆく
そのときに選んだの
この命の終わりよりも
あなたと生きる未来を
ねえ 壊れてしまっても
構わないと思えた
誰よりも 深く愛したから
怖くなんてなかった
今 夜に溶けながら
生まれ変わる二人
言葉のいらない世界で
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