月明かりが照らす、小道の先
影と影が重なる、その一瞬
冷えた夜風が、髪を撫でて
言葉にできないまま、君を見ていた
遠くで響く、鐘の音だけ
「さよなら」さえも、まだ言えなくて
君を送るよ、この静かな夜に
重ねた想いは、風に溶ける
届かぬまま、手を伸ばしても
光る涙が、空に消えていく
揺れる街灯が、影を伸ばす
二人の距離が、そっとほどけていく
指先に触れた、最後のぬくもり
「もう、ここにはいられない」と君が言う
ため息混じりの、星のざわめき
心の隙間に、冷たい夜が降る
君を送るよ、この静かな夜に
願いの欠片が、空に舞い散る
何も言わず、ただ見つめてた
その背中だけが、遠く滲んでいく
もしも違う空の下で
君とまた会えるのなら
きっと同じ月を見上げて
この夜を、思い出すだろう
君を送るよ、さよならの代わりに
沈黙の中、伝えたいこと
もう届かない、言葉の影が
静かな夜に、消えていくだけ
月明かりの下、残る足跡
風に消える、最後の「またね」
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