kazuo
Music(音楽) : 2025/2/4 11:25
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**「またね、のかわりに」**
「冷めた紅茶 残ってるよ」
君がふと 指さしたカップ
「飲まないの?」 って聞かれたけど
喉の奥が詰まったまま
風がそっと揺らしたカーテン
昨日と違う朝の匂い
君の言葉が 窓の外へ
静かに溶けて消えていく
「またね」って言えたなら 変わったのかな?
手のひらに残る 微かなぬくもり
離れていく影を 見送るたびに
胸の奥が 痛くなるんだ
「いつからだった?」 って君は笑う
答えられずに目をそらした
「平気だよ」 って嘘をついたら
君は何も言わずにうなずいた
本のページを そっと閉じた
続きなんて もう読めないのに
君が好きだった 物語の
終わりの一行 覚えてる
「またね」って言えたなら 違ったのかな?
言葉にならない さよならのカケラ
君が残した ぬくもりだけが
指の隙間をすり抜ける
夜明けの光に 染まる部屋
君の影が 少しずつ薄れてく
それでもきっと 忘れないよ
いつか言えなかった言葉さえも
「またね」って言えなくて ごめんね」
そう呟いた 空っぽの部屋で
ページの隅に 滲んだ文字が
静かに揺れていた
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