**「山の季節が呼ぶ声」**

霧の道に置かれた石碑 
誰がここを通り抜けたのか  
風に揺れる錆びた鈴の音  
山の息遣いが聞こえる  

冷えた手に触れる、苔むした枝  
古びた道標が導く場所  

山が呼ぶ声に背中を押され  
季節の扉を叩く旅人  
静けさの中に宿る命が  
変わらぬ希望を囁いている  

谷を越えた先の小さな祠  
誰かの願いが灯る跡  
途切れた道に残る木の実  
拾い集めた記憶を紡ぐ  

月が照らす影、凍てついた葉  
足元に息づく春の芽吹き  

山が守る声に耳を澄ませば  
過ぎゆく時さえ愛しくなる  
試練の中で見つけた未来は  
静寂の先に広がる空  

石碑に刻まれた名もなき言葉  
人の思いが山に溶け込む  
季節の流れとともに生きる  
永遠を感じる、その瞬間  

山が語る声に手を伸ばして  
心の中に根を張る命  
朽ちた葉にも宿る再生の歌  
未来の種を蒔き続ける  

山の静けさに抱かれながら  
季節の巡りを待つ日々に  
風と共に生きた証を  
次の春へと伝えていこう