オリジナル曲♪
**「帰る場所のない故郷」**
あの角を曲がれば
昔の駅があるはずだった
けれど看板は変わり
古い時計だけが
同じ午後を指していた
覚えていますか
あの頃のあなたは
夕暮れよりも若くて
別れを
永遠だと思っていた
川沿いの道には
新しい店が並び
古い家は
駐車場になっていた
桜の木だけが
昔の場所に立っている
帰ってきたのに
帰る場所がない
歩いてきた道ほど
遠く見える
若かった僕らは
別れを知らず
別れたあとで
人生を知った
君のいない季節を
いくつ越えただろう
歳月は傷を消さず
ただ
触れない場所へ
しまってくれた
駅のホームに
知らない若者が笑う
僕らが夢見た未来を
彼らは
別の名前で呼んでいる
時代は変わる
街も変わる
人も変わる
けれど胸の奥には
古い灯りが残る
戻ることは
取り戻すことではない
過去を抱いて
今を見つめること
私も
あの日の私ではない
あなたも
あの日のあなたではない
帰る場所は
もうない
だからこそ
歩けるのかもしれない
もし君が
この街のどこかで
同じ夕暮れを見ているなら
もう謝らなくていい
それでも
あの恋があったから
この歳月を
ここまで歩けた
帰れない
だから生きてゆく
忘れない
だから手放せる
帰る場所は
胸の中にしかない
失った街も
若かった僕も
もう戻らない
それでも朝は
古い窓を照らす
消えた灯りの跡にも
薄い光は残る
さよなら
さよなら
遠い日の君よ
ただいま
おかえり



