**「光の行方」**

桜の枝が映す　月夜の静寂（しじま）  
都の風がそっと　髪を撫でる  
「この愛に意味はあるか」　囁く声  
その答えはまだ　闇に溶ける  

過ぎ行く季節の中で  
瞬く光を追いかけ  
交わした言葉の欠片が  
胸に今も刺さる  

光の行方を探しながら  
時の川を渡る影たち  
消えゆく運命（さだめ）を抱きしめても  
その微笑みが愛のすべて  

朱雀門の彼方　霞む春の空  
「また逢えるだろうか」と問いかけた  
柳の葉が揺れて　沈む陽の色  
二人の影が絡み合う  

平安の夢は遠く  
忘れじの恋が燃え尽き  
千年を越えて今も  
君を想い続ける  

闇夜の果てに残る煌めき  
星屑の中に浮かぶ面影  
触れることなき君の温もり  
それでも愛は消えない  

叶わぬ想いと知りながら  
重ねた夢が香を纏う)
過ぎた日々の淡い光よ  
永遠を宿す歌となれ  

光の行方を追いかけながら  
時の輪廻（りんね）に刻まれる誓い  
たとえ夢でも君がいれば  
生きた証はここにある  

桜の花びらが散る小径で  
風が運ぶ君の名を呟く