








**「灯台の影で」**
夜明け前の港町 波が石を叩く音
「静かなときほど、心が騒ぐね」
君がそう言った朝を 僕はまだ覚えてる
濡れたベンチ 雨の匂いと 未完成のままの夢
崩れかけの防波堤 誰もいない埠頭の先
赤く錆びた鉄塔が 記憶の中で光る
ガラス玉を拾った 君が笑って見せた
「光るものって、時々すごく寂しいね」
それが最後の言葉だった
灯台がまばたく 薄曇りの空に
過去を照らしながら 遠くを指してる
ここにいれば 戻れると思ってた
でも 僕ももう…行かなきゃ
灯台の影で 誓った言葉
「きっとまた、会えるよね」
波の音が さらっていった
答えはもう 風のなか
踏み出すよ 君のいない海へ
引き出しの奥の古い写真 ピントがぼやけた二人
君の肩にかかった陽射しだけ やけに眩しくて
「大丈夫。私はここに残る人だから」
あのときの静けさが 今 やけに胸を騒がす
風が吹くたび 灯台は歌う
「君が選んだ道を 行け」と
濡れた靴も 冷たい風も
今はただ、進む理由になる
「自由って、選ぶことじゃなくて
見送ることかもしれないね」
そんな君の声が 波に混じって聞こえるんだ
灯台の影を 越えていくよ
もう振り返らないように
自由って名の 孤独さえ
今は 海図(マップ)になるなら
僕は 君の未来を信じて
灯台が揺れる 雨の彼方
手を振る影が 見えた気がした
ありがとう もう行くよ
君の光を 胸に抱いて…
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