**「凍える声」**

ざらついた風が頬を打つ  
凍えた空気、遠ざかる足音  
君は何を求めてたの？  
言葉にすれば壊れる気がして  

指先の震えも、君の背中も  
すべてが沈黙の中に消えた  
「行かないで」その一言が  
喉の奥で凍りつく  

凍える声、夜に溶けて  
胸を裂くほどの痛みを抱え  
触れたかった、君の心  
けれど雪のように儚く散る  

コートに染みついた街灯の匂い  
冷え切った手に残る微かな温もり  
あの日、君が置いていった時計  
針は止まり、時も凍える  

君の瞳に映ったのは誰？  
僕じゃない未来を見てたの？  
「もう戻れない」呟く声が  
氷の刃に変わる  

凍える声、冬を切り裂き  
降り積もる雪に紛れる涙  
届かないよ、君の記憶  
ただ寒さだけが今を包む  

静寂の中、響く足音  
耳に刺さる雪のざわめき  
君が置いていった言葉たちが  
いまも胸の中で囁いてる  

凍える声、遠く響け  
消えない痛みをこの空に乗せて  
愛してたよ、それだけが真実  
冷たくても、それでよかった  

雪が溶ける、その日までは  
君の影を追い続けるだろう  
凍える声、ひらりと散り  
胸の奥に深く眠る