kazuo
Music(音楽) : 2025/2/3 21:32
2 0
**「牛丼の湯気の向こうに」**
ステンレスのカウンター 指先に冷たい
並んだ紅生姜 どれくらいがちょうどいい?
夜風が押し込む 扉のベルの音
私の一日がまた始まる
かき込む湯気に溶ける声
一口ごとに流れる時間
「お待たせしました」 形だけの笑顔
でも それでいい それがいい
牛丼の湯気の向こうに
僕たちは何を見つめる?
しみ込むタレのように
消えない想いを抱えながら
カウンター越しの 知らない横顔
誰もがここでは 一瞬の通行人
スーツの袖に染みついた日常
温め直せるものならいいのに
滑る箸の先のため息
誰かの今日がよぎる夜
「ごゆっくりどうぞ」 君が言う
その声が胸に灯る
牛丼の湯気の向こうに
僕たちは何を見つめる?
しみ込むタレのように
消えない想いを抱えながら
深夜2時のネオンの海
レンゲの底に映る影
ぬるくなった味噌汁のように
この街の夜は続いてく
牛丼の湯気の向こうに
僕たちは何を探すの?
紅生姜みたいな迷いも
絡めて飲み干せるなら
扉が開く 風が吹く
私はまた ここで生きる
投稿者 | スレッド |
---|