








**「あの坂の途中で」**
あの坂道 ふと立ち止まった
なんでだったっけ? 理由は忘れたけど
その日は風が強くて
髪ぐちゃぐちゃで 笑ってたっけな、私
時間が過ぎるのって 変なもんだよね
昨日がもう やけに遠いし
ちょっと前の自分に
今の話 してあげたくなるときある
正しいことばっか 選んでたはずなのに
なんか違った気がして
何か置いてきた? 忘れてきた?
いや そうじゃないって思いたいけど
ねぇ あのとき「戻れ」って言われたら
わたし どうしたかな?
泣いたまま 立ち止まったかな?
それとも 笑って進んだふりしたかな
もう自分にウソつけないし
でも ホントの気持ちも怖くて
ずっと 坂の途中で
心だけ ぐるぐるまわってる
ほんと、わたしってさ 変なとこ真面目で
意味もなくがんばっちゃうタイプで
でもさ、誰かに褒められると
すぐ泣きそうになるんだよ ちょっとだけね
どこまで行けば 自分を信じられるの?
どこかで「これでいい」って思えるのかな?
答えって、案外 静かなとこにあるのかもね
スマホも鳴らない場所とかさ
あの人に言えなかったこと
今さらだけど ちゃんと覚えてる
ほんとは私 期待してたんだよ
気づいてよって 何度も思ってた
ねぇ 戻れなくてもいいって
やっと思えるようになったよ
それって負けじゃないよね?
「わたしはわたし」でいられること、ちゃんと守りたい
誰かと比べて落ち込むより
今の自分に「よくやった」って言いたい
たとえちょっと泣いてもさ
また朝は来るし 進める気がするの
ねぇ…ほんとはずっと怖かった
忘れられるのも、忘れてくのも
でも この痛みは
ちゃんと私を生かしてる
風が吹いてる、今日も
あの坂はまだ 途中だけど
うつむいても 目を閉じても
「また歩けるよ」って声がした
私が私にかけた言葉
それがいちばん 救ってくれたから
あぁ たぶんね、大丈夫
もう振り返らなくてもいいかもね
「また歩けるよ」
「また歩けるよ」
投稿者 | スレッド |
---|