kazuo
Music(音楽) : 2025/2/2 12:50
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**「霧の向こうへ」**
ガレ場に落ちた 黒い 小石が
転がる音だけが響く
「ここから先は足元に気をつけて」
君の声が かすれて消えた
言葉の隙間に滲んでいた
言えなかった何かが胸に刺さる
君は知ってたの? それともただ
僕を先に行かせたかった?
湿った風が 青いシャツを揺らし
君の気持ちを遠く運ぶ
霧の向こうへ 何を探してたの?
僕らの未来 そこにあると思った
冷えた指先 伸ばしたけど
触れた瞬間 君は逸らした
「引き返せるよ 今ならまだ」
その声がやけに優しく響く
それは僕のため? それとも君が
すでに答えを決めてたから?
信じた景色は ぼやけたままで
行き先さえも見えなくなる
霧の向こうへ 迷いながら進む
君が消えた道を確かめるように
名前を呼んだ 声は風に溶けて
残されたのは 靴音だけ
雲が切れて 光が差す
黄色い陽射しが頬を撫でる
「きっとまたどこかで」
君の言葉が 滲んでく
霧の向こうへ ひとり歩く
振り返っても もう君はいない
それでも僕は 靴ひも結び
この道をまた 進んでいく
君が言わなかった言葉の意味を
僕はいつになれば分かるだろう
ただ歩くだけ ただ歩くだけ
風に吹かれて どこまでも
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