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4 January 2020, 八ヶ岳・赤岳地蔵尾根より「横岳稜線」を望む
山歩きを何十年も続けていると、山の友は一人去り、また一人去り、そして自分自身も山から去る日が来るものだ。
昨年末、お世話になった山岳会OB忘年会に呼ばれたことがある。
どの先輩の顔もそれなりに年を重ね、近況を語りながら昔話に話を咲かせていた。
酒の勢いもあったのだろうか、一緒に山歩きを重ねた仲間から、冬の赤岳にもう一度立ってみないかと誘われて、ドキッとしてしまった。小屋泊まりの軽装による登山だが、冬山は天候が全て! 大丈夫なのかな?と思いつつ、軽く「付き合いますよ」と答えてしまった。後日、都合が悪くなったので止めようねとなったのだが・・。
白き冬の稜線に、今でも自分は立ち向かえるのだろうか?、重いテントを担いで単独で山に向かっていた。
悪天は去ろうとしていたが、早朝の行者小屋は厚い雲が広がり視界なし。
そんな中でも、若者は身支度を整えて続々と出発していく。爺様に出番はないな・・!
天気回復の気配を感じて、重い腰を上げた。
稜線に雪煙は舞っているが、青空は急速に広がりだす絶好の登山日和である。
白銀の横岳も、これから向かう赤岳、そして優美な羽を広げた阿弥陀岳も懐かしい景色である。
幾人もの若者に抜かれながら、勝手知った庭のようなもの、ゆっくり歩けば歩き通せるだろうと、私も登山者の仲間入りをしていた。
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